小児喘息
小児ぜんそく (小児喘息)でお悩みの方へ
当院では呼吸器専門医が丁寧に診療し、最新の治療も行っています。
■小児ぜんそくとは?
小児ぜんそく(気管支ぜんそく)は、気道に慢性的な炎症が起き、呼吸がしにくくなる病気です。日本では、約10人に1人のお子さまがぜんそくを発症しており、決して珍しい病気ではありません。
「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音が聞こえる、咳が長引く、息苦しさがあるといった症状は、ぜんそくのサインかもしれません。

■主な症状と注意すべきサイン
ぜんそくは夜間や早朝に症状が出やすく、以下のような症状が見られます。
- 夜中や明け方に咳や息苦しさがある
- 呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がする(喘鳴)
- 運動後に咳が出る・息が上がる
- 風邪のあと、咳が長引く
- 息を吐くのに時間がかかる
- 胸がペコペコとへこむ
- 顔色が悪く、うまく話せない
■ぜんそくの原因と悪化要因
小児ぜんそくは、体質(遺伝)と環境が関係しています。
- 家族にぜんそく、アレルギー体質がある
- ハウスダスト、ダニ、花粉、ペットの毛などのアレルゲン
- タバコの煙、排気ガス、風邪やウイルス感染
- 激しい運動やストレス、受動喫煙など
こうした要因を取り除くことが、発作の予防につながります。
■診断方法
当院では呼吸器専門医が以下をもとに診断を行います。
- 症状の経過と家族歴、生活環境の聞き取り
- 聴診、呼吸機能検査、血液検査、呼気NO測定などの各種検査
適切な検査を組み合わせ、原因や重症度をしっかり見極めた上で治療方針をご提案します。
■治療の基本方針
ぜんそくの治療は、以下の3つが柱です。
1.原因・悪化因子の除去 (アレルゲン対策・環境整備)
2.薬物療法 (吸入薬など)
3.日常生活のサポート (体調管理・服薬の継続)
特に吸入薬は、正しい使い方が効果に直結します。当院では保護者の方への吸入指導も丁寧に行っています。
■日常生活での注意
- 環境管理:ダニやカビ、タバコの煙を避けるために掃除・換気を行い、湿度は40〜60%に保つ。
- 感染症予防:手洗いや予防接種で風邪やインフルエンザを予防する。
- 規則正しい生活:十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動をする。
- 服薬遵守と情報共有:薬を正しく服用し、保護者・学校・医療者で緊急時の対応を共有しておく。
■生物学的製剤による最新治療も対応
高用量の吸入ステロイド薬や複数の薬剤を併用しても症状が安定しない重症ぜんそくには、生物学的製剤という注射薬が使用できます。これらの薬は炎症に関わる特定の分子を狙い撃ちするもので、従来の治療では効果が不十分な患者さんに新しい選択肢を提供します。
現時点で小児に使える薬剤は下表のとおりです。
生物学的製剤 | 作用の標的 | 適応年齢 |
オマリズマブ (ゾレア®) |
アレルギー反応を起こす IgE抗体の働きを抑える |
6歳以上 |
メポリズマブ (ヌーカラ®) |
好酸球を活性化する IL 5を抑制し、好酸球を減少させる |
6歳以上 |
ベンラリズマブ (ファセンラ®) |
好酸球のIL 5受容体を抑制し、 好酸球を減少させる |
6歳以上 |
デュピルマブ (デュピクセント®) |
IL 4/13受容体に結合して アレルギー炎症を抑える |
12歳以上 |
当院では、血液検査などで炎症タイプを評価し、適切な薬剤を選択します。
一部は自己注射も可能で、通院回数の軽減も考慮いたします。
当院の特徴
- 呼吸器専門医による丁寧な診察と最新治療
- アレルギー検査、呼吸機能検査、呼気NO測定で炎症のタイプや重症度を可視化
- 保護者向け指導とご家庭でのケア支援を重視
お子さまの健康を、私たちと一緒に守りましょう 「夜中の咳が気になる」「他の子より風邪が長引く」「学校に行けないことが増えてきた」
そんなお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
小児ぜんそくは、正しい診断と継続した治療でコントロールできる病気です。
ご家族と医師がチームになって、お子さまの健康と未来を守っていきましょう。
当院の診察について
Q1. どのように診察を予約すればよいでしょうか?
A. 15歳未満で受診希望の方は
お電話(03-5351-1081)でご予約下さい。
診察日は副院長の診察日である平日となります。
15歳以上の方で初診の方はWeb予約が可能です。
Q2. 何回通うことになりますか?
A. お子様の症状に応じて通院間隔を決定します。点滴や生物学的製剤が必要な重症例では、月に数回の診察が必要となります。
一方、症状が緩解に向かっている場合は、月単位まで間隔を空けることもあります。
Q3. 初診はどのような検査を受けますか?
A. 必要に応じて、採血(好酸球、IgE抗体)、胸部レントゲン、呼吸機能検査、呼気NO検査などを実施します。
検査内容は、症状・治療経過・年齢に応じて判断します。